ラジオNikkei(11月21日)/
林秀毅 特別招聘教授(国際関係学研究科)が「新興国マーケット情報」コーナーに出演しました。
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テーマ:中東情勢と先進国の財政懸念
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解説した内容:
1.イスラエルとガザの戦争は続いているが、一旦休止の兆しも見えてきました。その背景には、イスラエルはロシアと異なり相手に対し圧倒的な戦力を持つものの、ガザの被害状況拡大が伝えられると国際的な批判が高まる一方、イスラエル国内の政権批判も無視できないためです。
2.世界経済への影響としては、これまで下落傾向にあった原油価格が反転上昇に転じています。この背景には、戦争開始時、一旦減産を手控えた産油国が、その後原油価格の下落が続いたため、再び減産の検討を始めたことにあります。
3.これまでの局面では、原油価格の推移がインフレ要因として、欧米先進国の金融政策に与える影響が注目されてきました。一方、今後、原油価格が反転上昇に転じた場合には、主要先進国の長期金利への上昇圧力が高まり、主要国の財政動向に与える影響が焦点になるでしょう。11月中旬、米中、日中の首脳会談が相次いで行われた背景には、これら三カ国が全て各々の事情により財政動向への懸念が高まっている、という事情があります。
以上