10月21日(土)に第9回「IUJむすびばカレッジ」を開催しました。「政治リーダーシップと行政改革:独立行政法人改革の顛末から見る日本の政官関係」と題し、国際関係学研究科の中村 絢子 講師が登壇しました。
まず今回のテーマを読み解くうえで、日本の「政官関係」について米国や英国における政治制度の違いを比較をする形で紹介しました。そして、ニュースなどで報じられるスキャンダル、汚職や過剰な接待がなぜ生じてしまうのか、それには「閉鎖的な官僚制度」が関わっているということ、その原因と仕組みについて分かり易く解説しました。日本の官僚制度は安定的な国家運営には適していましたが、1990年代以降、この官僚特有の閉鎖性が引き起こしたスキャンダルの数々がありました。この「官僚の自治」を制限するべく、政治的リーダーによる行政組織構造の効率化、NPM(New Public Manegement)型行政改革が図られました。政治的リーダーのもと次々に誕生した独立行政法人でありましたが、その機関こそが官僚の「天下り」の温床になってしまったという、結果的には日本の政治的リーダーシップの弱さ、日本の政官関係のいびつさについて、実例を交えながら語られました。
Q&Aセッションでは、「モラルサイエンスの科目に重きを入れ、もっと物事を倫理的に考えることができれば、責任を取るという覚悟をもてるのではないか」、「日本の三権分立は成り立っているのか」、「国家試験受験者が減っている要因について」など市民の皆様から率直なご質問、ご意見が挙げられ、中村先生と積極的な議論が行われました。
最後に、『皆さんの立場から国民に有益な「政官関係」はどういうものか、考えてみよう』という議題が提起され、参加された皆さんがそれぞれ考える機会となりました。
今回のむすびばカレッジにおいて何かの学びや「結び」の場と感じていただけましたら幸いです。
2023年1月より毎月第3土曜日(8月・12月を除く)に南魚沼市事業創発拠点MUSUBI-BAにて開催しています。参加費用は無料、事前登録制です。
11月18日土曜日 15:00~(会場14:30)
スピーカー:加藤宏 副学長(国際関係学研究科 教授)
テーマ:「開発途上国への援助は必要なのか」
詳しくは専用ウェブサイトをご覧ください。
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