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Establishing a New Global Standard from Asia

学生インタビュー

論文の多読と留学生との議論から見えてきた、より良い国際協力の在り方

在学生

矢笠 嵐 さん

国際関係学研究科
公共経営・政策分析プログラム2年

高校生のころから、海外とのビジネスや国際協力の仕事に携わりたいと考えており、短期留学を経験し、大学卒業後は民間企業で国際会議の運営を担当してきました。30歳になる前に、改めて途上国の開発問題にかかわりたいと決意。キャリア転向を図るために、会社を退職して国際大学に入学しました。
進学先を決める際、海外留学も視野に入れていくつかの進路先を検討しました。そのなかでも国際大学が魅力的だったのは、途上国の若手官僚が多く学んでいて、彼らと切磋琢磨できることでした。大学時代の恩師が国際大学の修了生であり、進学先として勧めてもらったのも、決め手の一つになりました。
プログラムでは、行政学や政策決定分析などの科目に加え、経済学や統計学といったあまりなじみのなかった、定量的な手法を学びました。また「良質な論文を書くためには、良質な論文を読むに尽きる」という指導から、論文を多読しました。どの科目も課題が多く、入学してすぐは講義についていくことに必死でした。しかし自分で論文を書く段階になって、苦労して学び取ったことが生かされているのを実感しています。大学の制度を利用して、カナダの提携校への短期留学も大きな学びになりました。
ことあるごとに寮の食堂に集まり、さまざまな国の留学生と議論を交わしたり、時には一緒にレジャーを楽しんだりすることにより、ハードな勉強を乗り越えられた気がします。彼らと深くかかわることにより、一つの問題に対しても、文化や信条、価値観の違いから、克服のためのアプローチも異なるということを改めて認識しました。
現在は、地方自治体の国際協力の在り方について、修士論文を執筆しています。これからの国際協力は、国や国際機関だけではなく、地方自治体やNGO(非政府組織)を含む、さまざまな主体間のネットワークとの調整が求められます。どのようにお互いの社会を豊かにしていくのか、より互恵的な協力ができる仕組みづくりを進められる人材になりたいと考えています。